校長挨拶

 本年度、校長として2年目を迎えます黒崎 千春 と申します。どうぞよろしくお願いします。

 本校は、昭和8年に島根県立今市農業学校として創立され、 昨 年度(令和5年度)創立9 0 周年の節 目の年を迎えた 伝統ある農業高校であります。この間、歴代の校長先生をはじめ諸先生方、多大な支援 をしていただいたPTAや同窓会の皆様方のおかげで1万2千人を超える卒業生を送り出して参りま した。 「耕魂 育命」 本校では、生命を育て、自らの魂を耕す「魂の教育」を旨としております。 少子高齢化、国際化、環境問題、そして地方創生など様々な課題を抱え、刻々と変わる社会情勢の中、 変わらず大切なものは、「生命に対する畏敬の念」 、 「自然に対する感謝の気持ち」であろうと思い ます。 本校では常に生命と向き合い、豊かな心の醸成に努めております。

 この10年を振り返ってみましても、平成28年度より3カ年文部科学省の指定を受けて取り組んだ 「高校生の基礎学力の定着に向けた学習改善のための調査研究事業」では、学校設定科目であるサイエ ンスアプローチを新設し、学びなおしを中心とした基礎学力の定着や授業改善として、県下に先だって 教室にプロジェクターを設置し ICT 機器の有効活用に取り組みました。また、続く令和元年度からの3 カ年、同じく文部科学省の指定を受けた「地域との協働による高等学校教育改革推進事業(プロフェッ ショナル型)」では、出雲を愛する農業人材の育成を目指 し、育てたい資質・能力を出雲創生力(企画力・ 実践力・創造力)として取り組んできました。
 また、安心で安全な食の提供を目指し、グローバル GAP 、ジャパン GAP 、島根県 GAP の認証取得、 HCCAP の導入にもいち早く取り組み、令和元年には、生徒たちがドイツでグローバル GAP を取得したブドウの PR を行いました。スマート農業の実践としては、 GPS を搭載し自動操縦できる大型農業機械を導入する とともに、地域農業の核となる人材育成を目指し、様々な地域農業の魅力や課題を探求し、高校生の夢 や大胆な発想からこの地域にイノベーショ ンを起こす取り組みを行うなど、島根の農業教育をけん引す るリーディングスクールとしての役割 を果たしてきました。

 「見つけよう、自分の力の可能性!」 基礎基本の徹底、専門性の向上、実践力の育成を図るため、 地域 課題 解決型学習 の充実、農業クラブ活動を学校経営の中核に据え、生徒の秘めたる可能性を最大限 に引き出したいと考えております。 「耕魂五箇条」 (汗をかけ、常識を学べ、経験を積め 、常識を疑え、 チャレンジせよ)を指導のよりどころとしながら、 私たち 教職員も生徒と「ともに汗をかき、ともに涙 し、ともに感動する」教職員集 団であるよう努めていきたいと思っております。 そして、本校で学ぶ生 徒が出雲農林高校に入学して良かった。また農業を学んだから今があると心からいえる高校にしていく ためにも生徒の夢を創造し実現する農業教育をより一層進めていきたいと考えております。 皆様方のご 理解ご支援をよろしくお願いいたします。

 多くの方に本校のホームページをご覧いただき、本校 の様子を 知っていただければ 幸いです。

令和6年4月
島根県立出雲農林高等学校
校長 黒崎 千春